UCEニューズ・レターC
University Continuing Education

Vol.1, No.4 Aug.2000−Jan.2001
第1巻 第4号
編集:私立大学通信教育協会 発行:平成13年1月31日

中央省庁再編で文部科学省が誕生。大学審議会も中央教育審議会に再編成され、大学分科会が発足

 本年1月6日から、中央省庁が1府12省庁に再編成されスタートした。文部省と科学技術庁が統合され、新たに「文部科学省」となり、初代の文部科学大臣に町村信孝氏、事務次官に小野元之氏が就任した。
 また、省庁再編に伴って審議会の統廃合が行われ、中央教育、生涯学習、理科教育及び産業教育、教育課程、教育職員養成、大学、保健体育の各審議会が新たな中央教育審議会(所管=生涯学習政策局政策課)に統合され、@教育制度分科会(所管=同)、A生涯学習分科会(所管=同)、B初等中等教育分科会(所管=初等中等教育局初等中等教育企画課)、C大学分科会(所管=高等教育局高等教育企画課)、Dスポーツ・青少年分科会(所管=スポーツ・青少年局企画・体育課)の5つの分科会が設けられた。
 町村文部科学大臣は、1月19日の閣議後の会見で新たな中央教育審議会の委員30名を発表し(正式には1月末に発令)、会長には鳥居泰彦慶應義塾大学塾長を内定した。2月の早い段階で第1回目の会合が開かれる予定。


規制改革委員会が規制改革に関する見解を発表。遠隔授業の要件緩和、通信制の博士課程などを提言

 政府の行政改革推進本部規制改革委員会は、すでに昨年7月26日に今年度の規制改革に関する論点を公開しているが、さらに12月12日に「規制改革についての見解」を発表した。
 この中で、「インターネットを用いた高等教育等の促進」について、@遠隔授業(メディアを利用して行う授業)により修得できる単位数の上限の見直しを検討する必要があること、Aインターネットを活用した授業が、効果的な学習指導を行い得る体制が整えられている場合には、同時性・双方向性がなくともこれを遠隔授業として位置づけ、単位修得を可能とすべきであること、B社会人等の多様なニーズに応えていくため、大学院博士課程においても通信教育を設置することについて検討すべきであること、などが提言されている。これらは、11月22日の大学審議会答申を受けたものと考えられる。
 一方、7月の論点公開で指摘されていた「通学制と通信制の区分の廃止」については今回は言及されていない。


大学審議会がインターネット等活用授業を答申。年度内にも大学設置基準等が改正される見込み

 大学審議会(鳥居泰彦会長)は、昨年11月22日、第94回総会を開き、「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」、「大学設置基準等の改正について」、「大学入試の改善について」の3つの答申を行った。
 このうち、「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」は、6月の「審議の概要」を最終的に取りまとめたもので、大学教育における情報通信技術の活用の在り方について、以下のような提言を行っている。

(1)インターネット等活用授業の遠隔授業としての位置付け
次の要件をすべて満たすもので、大学において、直接の対面授業に相当する教育効果を有すると認めたものを遠隔授業として位置付けることが適当である。
 ア 文字、音声、静止画、動画等の多様な情報を一体的に扱うもの
 イ 電子メールの交換などの情報通信技術を用いたり、オフィスアワー等に直接対面したりすることによって、教員や補助教員(教員の指導の下で教育活動の補助を行うティーチング・アシスタントなど)が毎回の授業の実施に当たり設問解答、添削指導、質疑応答等による指導を行うもの
 ウ 授業に関して学生が相互に意見を交換する機会が提供されているもの
 また、「遠隔授業」を実施する大学について、今後の実施状況等を踏まえつつ、校舎等の所要の施設に関する基準の在り方を必要に応じ検討することが適当である。
(2)通学制における取扱い
 上記の要件を満たし、大学において、直接の対面授業に相当する教育効果を有すると認める場合には、これを遠隔授業として位置付け、各大学の主体的判断により、現行制度に定める上限の範囲内で単位修得を可能とする方向で見直しを行うことが適当である。
(3)通信制における取扱い
 社会人の学習ニーズに柔軟にこたえる通信制本来の役割にかんがみ、従来の直接の対面授業による修得が必要な20単位についても、遠隔授業により修得することができるものとすることが適当である。このことにより、卒業に必要な単位(124単位)すべてを遠隔授業により修得することも可能となる。ただし、高等学校を卒業して実社会での職業経験を経ずに大学教育を受ける青年期の学生などに対しては、各大学の定める範囲内で、直接の対面授業を履修させる機会を与えることが望ましい。

 この他、通信教育によって得た外国の大学の単位・学位の取扱い、通信教育による我が国の大学教育の海外への提供、通信制の大学院の博士課程の開設などが提言されている。
 なお、同日の答申「大学設置基準等の改正について」は、これらの提言を含めた先の答申を具体化するために必要な大学設置基準、大学通信教育設置基準、高等専門学校設置基準等の改正を提言したものである。


設置審が平成13年度開設予定の大学・大学院等を答申。新たに3大学、2大学院が通信教育を開設

 文部省の大学設置・学校法人審議会(末松安晴会長)は、昨年12月12日、「平成13年度開設予定大学等・大学院等」について答申した。
 新たに大学・大学院の通信教育を開設するのは大学3校、大学院2校である。これにより、平成13年度の大学通信教育実施校は、23大学(放送大学を含む)、10短期大学(内2校は学生募集停止)、8大学院(放送大学の学生受け入れは14年度から)となる。

(平成13年度)大学における通信教育の開設認可
大学名(法人名) 所在地 学部名 学科(専攻)名 入学定員

聖徳大学
(学校法人東京聖徳学園)

千葉県松戸市 人文 児童 600
(3年次編入50)
日本文化 200
(3年次編入20)
英米文化 200
(3年次編入20)

日本福祉大学
(学校法人法音寺学園)

愛知県知多郡 経済 経営開発 1,000

大阪芸術大学
(学校法人塚本学院)

大阪府南河内郡 芸術 美術 100
(3年次編入20)
デザイン 100
(3年次編入20)
建築 100
(3年次編入20)
文芸 100
(3年次編入20)
音楽 100
(3年次編入20)
放送 100
(3年次編入20)
写真 100
(3年次編入20)
工芸 100
(3年次編入20)
映像 100
(3年次編入20)
環境計画 100
(3年次編入20)

(平成13年度)大学院における通信教育の開設認可
大学院名(法人名) 所在地 研究科名 専攻名 入学定員 備 考

放送大学大学院
(特殊法人放送大学学園)

千葉県千葉市 文化科学 文化科学 500
(科目生10,000)
学生受入は14年度から

名古屋学院大学大学院
(学校法人名古屋学院大学)

愛知県瀬戸市 外国語学 英語学 40  

佛教大学大学院
(学校法人浄土宗教育資団)

京都府京都市 文学 国文学 10  
社会学 社会学 10  


人間総合科学大学がインターネットを活用した遠隔授業で卒業単位を取得できる特別クラスを今春開設

 日本経済新聞(昨年12月14日付)によると、人間総合科学大学(埼玉県岩槻市)がスクーリングの代わりにインターネットを活用した遠隔授業で卒業単位を取得できる特別クラスを平成13年度から開設する。これは、大学審議会が11月に「インターネット等活用授業」を遠隔授業として位置づけることを答申し、年度内に大学設置基準等が改正される見通しとなったことを受けたものである。
 特別クラスは、当面は約30人で発足。教材や資料を教室風景などとともにインターネットで動画配信し、パソコン画面上で教授と学生が対話できる環境を設定するため、実際に教室にいるような雰囲気で授業を受けることができるとしている。平成13年度は9科目20単位分が対象。ただし、本人確認のため期末試験だけは大学または地方会場での受験を義務づける。


文部省学校基本調査報告書が刊行。大学通信教育の学生数、大学が約3,500人増、短期大学が3,500人減

 文部省は、昨年12月13日、『平成12年度学校基本調査報告書(高等教育機関)』を刊行した。
 通信による教育を行う大学は22校(うち通信制の大学院を置く大学6校)、短期大学は10校で、前年度より大学は3校増加(通信制の大学院を置く大学は2校増加)し、短期大学は同数となっている。
 学生数は、大学が219,711人(前年度より3,024人増)、大学院は763人(同395人増)、短期大学は28,108人(同3,760人減)となっている。正規の課程の学生数は大学が175,898人、大学院が747人、短期大学が26,622人で、前年度より大学は3,542人、大学院は379人それぞれ増加し、短期大学は3,551人減少している。
 正規の課程の学生の関係学科構成比をみると、大学では「社会科学」が37.3%で最も高く、次いで「人文科学」15.6%等の順となっている。また、大学院では「教育」が38.4%で最も高く、次いで「社会科学」25.7%の順、短期大学では「教育」が46.3%で最も高く、次いで「社会」37.4%等の順となっている。


日本通信教育学会第48回研究協議会が本年2月27日に有明(東京)で開催

 日本通信教育学会(村井 実会長)が、来る2月27日(火)、有明(東京)のTFTビル9階905会議室で第48回研究協議会を開催する。
 午前中は、村井会長による開会挨拶および基調講演に続き、渡辺康麿玉川大学文学部教授による講演「通信指導によるセルフカウンセリング学習について」が行われる。午後は、高校、大学、社会、民間通信教育の各部門の研究発表となっており、大学からは味形修氏・中津川順子氏(明星大学大学院人文学研究科教育学専攻・通信制大学院TA)による『通信制大学院の2年間の足跡−TAの立場から−』が報告される。また、「ITが開く21世紀の通信教育」と題してシンポジウムも開催される。
 問い合わせ・参加申込は、日本通信教育学会事務局(〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-53-67コスモス青山ビル2F株式会社バベル内/TEL:03-5766-8913 FAX:03-5766-8914)まで。


◆ 協 会 だ よ り ◆

大阪芸術大学、聖徳大学、日本福祉大学の3大学が当協会に新規加入

 平成13年度から、大阪芸術大学、聖徳大学、日本福祉大学の3大学が通信教育課程を開設する。同3大学の当協会への加入については、第99回理事会・第64回評議員会(平成12年12月15日開催)で、次のとおりの結果となった。
 大阪芸術大学、聖徳大学は、ともに同法人の大阪芸術大学短期大学部、聖徳大学短期大学部が既に通信教育課程を開設し当協会にも加入しているため、当協会事業活動への参加に関する審議が行われ、承認された。
 日本福祉大学は、「新規加入に関する内規」に則り審議が行われ、加入が承認された。
 これにより、平成13年度から、加盟校数は大学が20校、短期大学が9校の合計29校となる。


川崎医療短期大学が平成12年度で当協会を脱退

 平成12年度から学生募集を停止している川崎医療短期大学は、今年度で当協会を脱会する旨の申請書を第99回理事会・第64回評議員会(平成12年12月15日開催)に提出し承認された。
 同短期大学は、通信教育課程を昭和58年度から開設し、同61年度より当協会に加入していた。


「大学通信教育の自己点検・評価」をテーマに平成12年度第2回連絡会議を開催

 昨年10月23日(月)、「大学通信教育の自己点検・評価」をテーマに、当協会主催による平成12年度第2回連絡会議を東京・千代田区の日本私立学校振興・共済事業団5階502号室で開催した。
 当日は、竹内 昭理事長代行の開会挨拶、財団法人大学基準協会高等教育研究部門の工藤 潤氏による講演「大学通信教育の自己点検・評価−大学基準協会の基本的考え方−」に続き、加盟各大学・短期大学における自己点検・評価の取り組みについて情報ならびに意見交換が行われた。参加者は、加盟17大学・短期大学から27名であった。
 なお、参加者を対象としたアンケート調査の結果は以下の通りである(回答者24名)。
(1)今回のテーマ・構成について=よい(14名・58.3%)、普通(10名・41.7%)、ものたりない(0名・0%)
(2)今回の内容について=よい(9名・37.5%)、普通(13名・54.2%)、ものたりない(2名・8.3%)
(3)協会内に「自己点検・評価項目作成委員会」を設置し、大学通信教育に関する自己点検・評価項目の作成を行うことについて=そうすべきである(22名・91.7%)、その必要はない(2名・8.3%)


大学通信教育イメージポスターの公募に30点が応募。森崎明子さん(大阪芸大短大部)が最優秀賞に

 当協会主催による「第1回大学通信教育イメージポスター」の公募に、9大学、4短期大学の学生から30点の応募があり、選考の結果、最優秀賞に森崎明子さん(大阪芸術大学短期大学部・私立幼稚園講師)、優秀賞に寺西美佳さん(産能大学・会社員)と井上良子さん(近畿大学・学童保育指導員)の作品がそれぞれ選ばれた。
 最優秀賞の森崎さんの作品は、一部修正を加え、当協会の平成13年度用ポスターとして約5,200部作成し、関係諸機関に送付した。また、副賞として、最優秀賞には10万円、優秀賞には3万円が贈られた。


『大学通信教育の手引(平成13年版)』が完成。入学案内春期書店販売もはじまる

 『大学通信教育の手引(平成13年版)』がこのほど完成し、加盟各大学・短期大学および関係諸機関に送付した(約4,800件)。同冊子は、協会主催の合同入学説明会の来場者に配付するほか、入学案内の販売を行う書店でも無料で配布される(約20,000件)。
 また、入学案内の春期書店販売が2月1日から全国70店舗ではじまる(5月末日まで)。


平成13年春期合同入学説明会がスタート。2月10日から3月4日まで9都市で延べ14日間開催予定

 当協会主催による春期合同入学説明会が2月10日(土)からスタートする。今年度は、昨年に比べ、新潟と岡山の2都市を加え、9都市で延べ14日間開催する。また、参加校数もすべての会場で昨年より増加している。
 実施計画の詳細は下記の通り。

(平成13年度)春期合同入学説明会実施計画
(  )内は平成12年度の数値
開 催 日 都 市 会 場 名 校 数
2月10日(土) 東 京 新宿エルタワー30階 24(21)
2月11日(日) 新 潟 ミナミプラザホテル 19(-)
2月17日(土) 大 阪 阪急グランドビル26階 21(19)
2月17日(土) 岡 山 ホテルニューオカヤマ 20(-)
2月18日(日) 名古屋 タワーズプラザホール 20(19)
2月18日(日) 広 島 広島国際会議場 21(17)
2月24日(土) 東 京 新宿エルタワー30階 22(21)
2月25日(日) 仙 台 仙台市情報産業プラザ(ネ!ットU) 19(17)
2月24日(土)・25日(日) 札 幌 北海道経済センター 21(19)
3月3日(土) 大 阪 大阪桐杏学園 20(18)
3月4日(日) 名古屋 タワーズプラザホール 20(17)
3月3日(土)・4日(日) 福 岡 エルガーラホール 20(18)


 ▼このニューズ・レターに関するお問い合わせ、ご意見ご希望は下記まで。

財団法人私立大学通信教育協会
研究事業課
〒113-0033東京都文京区本郷2−27−16
大学通信教育ビル3F
TEL:03-3818-3870 FAX:03-5803-9939
e-mail:uce-ks@mxa.mesh.ne.jp