学習方法の特色

 大学通信教育の学習方法は、大学通信教育設置基準(文部科学省令)によって、①印刷教材等による授業、②放送授業、③面接授業、④メディアを利用して行う授業、の4つが規定されています。
印刷教材等による授業は大学通信教育の中心的な学習方法で、大学から送付または指定されたテキストを学習し、与えられた課題に沿って学習成果を報告(リポート)して添削指導と評価を受けます。
さらに、印刷教材等による授業だけでは不十分な科目や学習内容もあることから、面接授業(スクーリング)や放送授業(主に放送大学が実施)が行われています。
また、メディアを利用して行う授業は、インターネットやテレビ会議式の遠隔授業の形態です。

大学通信教育の授業方法

①印刷教材等による授業

 印刷教材等による自学自習と与えられた課題の学習成果を報告(リポート)し、これに添削指導を受けて学習を進めます。学習を終えた科目は試験を受け、それに合格することによって単位を取得します。
卒業までの学習のうち、約4分の3がこの方法で行われます。

〈教材の配本〉

 印刷教材は、年間の配本計画に従って、ある程度まとめて送付されます。数科目の教材が送付されたら、何から学ぶかを決めて、学習に取りかかります。

〈教材による学習〉

 教材は概ね章ごとに「研究課題」があります。これによって学習がうまく進んでいるかを自分で確認します。
また、教材には、別冊として、あるいは教材の巻末などに学習指導上の「学習の手引」に当たる項目が盛り込まれています。
参考書を利用して、学習を一層深めることも必要となるでしょう。どうしても分からない箇所があれば、質問票などを使い質問することもできます。

〈リポートの作成〉

 一定の単位分の学習が終わると、決められた課題でリポート(学習報告書)を作成し、大学・短期大学に送付します。このリポートは、1回(1単位)が2,000字程度の論文形式のものです。4単位の科目であれば、学習の進度に応じて1~4回(大学・短期大学によって異なる)のリポートを提出します。
リポートは、大学の指導教員が添削指導を行い、評価をつけて送り返します。その結果、もう一度学習し直したり、あるいは学習を先へ進めます。

〈単位修得試験(科目試験)〉

 所定のリポートを全部提出し、原則としてこれに合格すれば、科目ごとに単位修得試験(科目試験)を受けます。
試験は、年間実施計画によって、大学のキャンパスのほか、地方の主要都市でも、土・日曜日に行われます。学習を終えた科目を一番都合のよい時期・場所を選んで受験します。
単位修得試験(科目試験)に合格すれば、その科目の単位が得られます。こうして、必要な科目の学習を進め、単位を積み重ねていきます。

②放送授業

 放送(ラジオやテレビ)を利用する授業方法です。放送大学では、テレビとラジオを多用して教育を行っていますが、私立大学でも一部の大学で放送授業を実施しています。
また、放送大学の単位互換制度を利用して、放送大学の授業科目(放送授業)を履修して修得した単位をその大学の単位として認定している大学・短期大学もあります。この場合、最大10単位(短期大学では5単位)までが面接授業によって修得した単位として代替されます。

③面接授業(スクーリング)

 印刷教材等による授業や放送授業だけでは大学教育のすべてが十分には行えないため、一定の時期、場所に集まって面接授業(講師との直接の対面授業)が行われます。
卒業のためには、大学では30単位以上、短期大学では15単位以上を面接授業で修得しなければなりません(編(再・転)入学の場合は軽減されます)。これは、卒業所要単位の約4分の1に相当します。
面接授業は、特に忙しい社会人にとっては、できるだけ少ないほうが望ましいと思われますが、高い水準の学習成果を維持するために重視されています。大学・短期大学によって、いろいろな実施方法が工夫されていますので、自分が出席しやすい方法で面接授業を実施している大学・短期大学を選ぶことが卒業への近道でもあります。

〈面接授業の目的〉

 面接授業の目的は主に2つあります。

  1. 印刷教材等による授業や放送授業では学習できない、または学習効果が十分に期待できない科目や学習内容を面接授業で補うこと。実験・実習・体育実技や語学、あるいは一部の専門科目などがこれに当たります。
  2. 大学のもつ学風を体得し、教職員や学友とのキャンパス生活を通じて人間形成を図ることです。

〈面接授業の種類〉

 主な面接授業には、昼間・夜間・通年の3種類があリます。この他に、地方都市での集中講義を実施したり、土・日曜日に開講する大学・短期大学もあります。

(1)昼間スクーリング
 ある期間にわたり昼間に通学するもので、その代表的なものが夏期スクーリングです。春期・秋期・冬期などに行う大学・短期大学もあります。
夏期スクーリングは、7月下旬から8月下旬までの3~5週間を大学のキャンパスに通学して行われます。大学によって期間が違いますが10単位前後が修得でき、卒業までに4回(短期大学では2~3回)出席することになります。もう少し短い期間に分割して出席することもできますが、その分、卒業までに年数を要することになります。
(2)夜間スクーリング
 夜間通学によって行われるものです。自宅-勤務先-大学の三つを結んで通学可能な範囲に居住する学生に限られます。ただし、一部の科目は夏期スクーリングで修得しなければならない場合もあります。
(3)通年スクーリング
 1年間を通して大学に通学して通学課程の授業を受講する方法で、一部の大学・短期大学で実施しています。職業を持つ社会人には容易に出席できないので、その出席者はわずかです。また、受講条件・資格も厳しく定められています。
(4)その他のスクーリング
○地方スクーリング
キャンパスではなく、地方の都市で面接授業を行います。期間は数日から1週間ぐらいの昼間で、修得単位は多くありません。
○土・日曜スクーリング
週末に大学のキャンパス等で行われ、何回かに出席してスクーリング単位を積み上げていきます。
○海外スクーリング
外国の大学と提携して、数週間にわたって海外でスクーリングを行う大学もあります。

〈スクーリング中の宿舎の斡旋〉

 スクーリングに出席するために宿舎を必要とする方には、各大学・短期大学が適切な宿泊施設を紹介しています。

④メディアを利用して行う授業

 IT(情報通信技術)の発達によって、「メディアを利用して行う授業」としてテレビ会議式の遠隔授業やインターネット等を活用した授業も実施しているところもあります。メディアを利用して行う授業で修得した単位は、面接授業によって修得した単位として代替できます。
また、科目によってはパソコン等を通じ、リポートの受付け、単位修得試験(科目試験)等を行っているところもあります。

 以上の四つの授業形態に、さらに学習指導(教育・学習上の指導)が行われ、学びやすい環境を提供しています。

学習指導

 印刷教材等による授業では孤独な学習に陥りがちです。また、学生一人ひとりが学習継続に多くの問題を抱えています。そこで、学習指導や学習相談が重視されます。ホームページを積極的に利用している大学もあります。

(a)機関紙(誌)等による指導

 学習指導書や機関紙(誌)を通じて一般的な学習指導が行われます。学習者個々の指導には手紙の形式を取る場合や一部では、電子メールによる質問・相談の受付、回答も行っています。

(b)教職員による直接指導

 印刷物での指導や相談には限界があるので、教職員による面接指導や相談が行われます。大学での窓口はもちろん、地方諸都市に教職員を派遣して指導や相談を行います。特に科目試験実施の機会には、一般的な個別指導や相談が行われます。

(c)学習グループ活動

 各大学・短期大学の学生は、地域ごとに学習グループを組織し、学習活動や相互の親睦のために活動しています。学習上の議論や悩みを交わしたり、先輩・後輩が助け合っています。こういった活動に教職員を派遣して学習指導に手を貸し、教員と学生の合宿ゼミなども行われます。

(d)その他の指導体制

 各大学・短期大学では、指導体制を整備して積極的な指導と相談が行えるようにしています。学習指導室や相談室を設けたり、指導員、相談員を配置して、きめ細かく学生との接触を図るようにしています。
また、各地域の通信教育の卒業生や在学生が、豊富な学習経験を活かして後輩の学習相談に応じる体制をとっている大学・短期大学もあります。